- おこす
- I
おこす【熾す】〔「起こす」と同源〕炭などの火の勢いを盛んにする。 また, 炭などに火をつける。
「うちわで火を~・す」
‖可能‖ おこせるIIおこす【起(こ)す・興す】(1)起きるようにする。 (ア)倒れたりして横になっているものや, 傾いているものを立てる。「倒れた苗木を~・す」「転んだ子供を~・してやる」「ベッドの上に体を~・す」(イ)眠っている人の目を覚まさせる。 「朝六時に~・して下さい」
(2)地面などが平らになっている状態を破る。 (ア)地面の表面を掘り返す。「畑を~・す」「畝を~・す」(イ)地面の表面にある物をはがす。 「石を~・すとアリの巣が見つかる」(ウ)(花札・カルタなどで)伏せられている札を表に返す。 「札を~・す」
(3)物事・事態・動きなどを生じさせる。 また, 意図的でなく, 結果として, ある事態を生じさせる。「反乱を~・す」「水の力で電気を~・す」「腹痛を~・す」
(4)ある感情や意などを心の中に生じさせる。「やる気を~・す」「すぐにかんしゃくを~・す」「勉学意欲を~・させる教育」「道心を~・す」
(5)新たに物事を始める。 組織などを作る。 《起・興》「国を~・す」「会社を~・す」「事業を~・す」(6)活動を盛んにさせる。 《興》「産業を~・す」「没落した家を~・す」(7)音声を文字化する。「録音テープを~・す」
(8)版に彫る。「此わけを板行に~・して/黄表紙・艶気樺焼」
(9)心をふるい立たせる。「大夫(マスラオ)の心振り~・し/万葉 3962」
〔「起きる」「起こる」に対する他動詞〕‖可能‖ おこせる︱慣用︱ 願を~・事を~・寝た子を~・筆を~・身を~IIIおこす【遣す・致す】※一※ (動サ下二)(1)先方からこちらへ送ってくる。 よこす。「白玉の五百箇集(イオツツド)ひを手に結び~・せむ海人(アマ)はむがしくもあるか/万葉 4105」
(2)(動詞の連用形に付いて)その動作がこちらへ向けて行われる意を表す。「度度ほのめかし~・せけれど/源氏(東屋)」
※二※ (動サ四){※一※}に同じ。「おのれ~・さずは胴切にしてやらう/狂言・太刀奪(虎寛本)」
〔下二段が室町末期に四段に変わったもの〕
Japanese explanatory dictionaries. 2013.